第19回 関西 Debian 勉強会 in 関西オープンソース2008 のページへ
Kansai Debian Meeting in Kansai Open Source 2008 Information
ここには関西オープンソース2008にて配布した配布物やその他補足情報などを掲載しています。
Contents
Debian Live DVD(lenny) / Debian Installer(lenny)
TeX資料作成ハンズオンバージョン (2008.11.7-8 KOF)
Debian Liveについて
配布したDebian Live/Installer (lenny) のハイブリッドDVDは DebianLive のlive-helperを用いて作成されました。
以前配布したDebian Liveとの違いは以前の内容に加え、東京エリア・関西Debian勉強会の資料作成、管理に必要なemacs, git, TeXの環境がほぼすべて入っています。
関西Debian勉強会では、このDebian Liveを使い、資料を作成、管理するためのハンズオンを予定しています。
ハンズオン参加のための準備方法については「資料作成ハンズオンの準備について」をご覧ください。
Live DVDとして使う
DVDを起動してメニューから Debian Live を選択します。
Debian Live(noswap/nopersistent) は、通常はスワップパーティションやDVDの差分保存パーティションを探して自動的マウントしますが、このメニューではそれらのパーティションは自動的にマウントしません。
その他、うまく起動できない場合は、Debian Live(fail-safe mode) を試してみてください。
- 起動オプションを追加するには?
通常は必要ありませんが、なんらかの事情により追加する場合は、起動オプションを追加したいメニューの上で 「e」 キーを押し、kernel行でもう一度 「e」 キーを押すと入力できるので起動オプションを追加します。 入力が終わったなら 「ESC」 キーで抜け、 「b」 キーでブートします。
Debian Liveの起動オプションはDVD内の parameters.txt 、Debian Installerの起動オプションは Debian インストールガイド を参照してください。
Debian Installerとして使う
このインストーラを利用してDebianをインストールするには、インターネット接続環境が必要です。ご注意ください。
インストーラーとして使うには、起動時のメニューから Debian Installer を選択してください。Debian GNU/Linux 5.0(Lenny)をHDDにインストールすることができます。
インストール方法については現安定版のEtchとほぼ同じ手順ですので下記のURIを参考にしてください。
- Debian JP Project - Debian GNU/Linux クイックインストール解説 (Etch 編)
資料作成ハンズオンについて
このDVDを使って行う資料作成ハンズオンですが、会場にはネットワーク環境もなく、時間も限られているので、参加する方は以下の準備をしておいてください。
- USBメモリにDVDの差分を保存できるようにする。
- apt-lineのnon-freeセクションを有効にし、poppler-data, gs-cjk-resource, xpdf-japaneseのパッケージをインストールする。
- debian勉強会の資料リポジトリからリポジトリを複製し、コンパイルできる事を確認する。
USBメモリにDVDの差分を保存する
Debian Liveは起動時にlive-rwとラベルのついたext2/ext3パーティションをみつけると自動的にマウントしDVDの差分を保存します。 ここではUSBメモリにDVDの差分を保存するための方法を説明します。
用意するもの:
- Debian Live DVD
- USBメモリ(資料作成ハンズオンの準備には512MB以上)
DVDを起動しUSBメモリをセットする。
この時USBメモリが自動的にマウントされてしまうので、マウントされたデバイスアイコン上のコンテキストメニュー(マウス右クリックメニュー)から「アンマウント」を選んでアンマウントしておきます。
保存パーティションの作成
「live-rw」というラベル名でext3パーティションを作成します。 作成方法はGUIでもターミナル、どちらでも構いません。
gpartedからパーティション作成
GNOMEメニューの「システム」→「システム管理」→「?PartitionEditor」を選択し、gpartedを起動します。 右上のプルダウンメニューからUSBメモリのデバイスを選び、パーティションを適当なサイズにリサイズ(もしくは削除)し、空いた領域にext3パーティションを作成します。 この時、ラベル名を「live-rw」と名づけることを忘れないでください。
ターミナルからパーティション作成
GNOMEメニューの「アプリケーション」→「アクセサリ」→「Root Terminal」を選択し作業をします。 /dev/sdXnはUSBメモリのデバイスファイル名です(Xはアルファベット、nは番号)。自分の環境に合わせて適当に読み替えてください。
パーティションを確認する。
# fdisk -l
cfdisk(またはfdisk)でパーティションを作成します。
# cfdisk /dev/sdX
「live-rw」というラベル名でext3でフォーマットします。
# mkfs.ext3 -l live-rw /dev/sdXn
tune2fsでfsckをしないようにしておくのもいいかもしれません。
# tune2fs -i 0 -c 0 /dev/sdXn
もし後からラベル名をつけるときはtune2fsで変更します。
# tune2fs -L live-rw /dev/sdXn
再起動して確認する
USBメモリを差したままDVDから起動します。 起動してUSBメモリのパーティションが/live/cowディレクトリにマウントされていれば、差分保存ができます。
non-freeセクションのパッケージインストール
PDFを読むためにはpoppler-dataパッケージが必要ですが、ライセンスの都合上、DVDに納めることができませんでした。 以下Lennyリリースノートより引用。
中国語/日本語/韓国語を含む PDF ファイルの閲覧について ------------------------------------------------------- 今回のリリースより、evince を利用して中国語/日本語/韓国語を含む PDF ファイルを開く際、ほとんどの場合は対応する中国語/日本語/韓国語フォントだけではなく non-free コンポーネントに含まれる poppler-data も必要となります。この poppler-data に含まれる Adobe CMAP データを利用すると、それまで正常に表示ができなかった中国語/日本語/韓国語の文字表示が可能となります。 なお、残念ながら poppler-data パッケージは改変再配布が認められていない non-free コンポーネントのため、デフォルトの「デスクトップ環境」ではインストールされません。evince にて中国語/日本語/韓国語を含む PDF ファイルを正常に表示できないという場合は /etc/apt/sources.list 内、あるいは/etc/apt/sources.list.d ディレクトリ以下の apt line を編集して non-free コンポーネントを利用するように変更してからapt/aptitude のデータベースの update を実施し、poppler-dataパッケージをインストールしてください。 以前のリリースからのアップグレードを行った方への注意:evince では、今回のリリースから Adobe CMAP を参照するプログラムの実装が変わったため、正常な動作を行うには、さらにpoppler-data パッケージのインストールが必要となる点についてご注意願います。
poppler-data以外にも、資料作成ハンズオンにはgs-cjk-resourceとxpdf-japaneseも必要になりますが、それぞれAdobe CMAPに依存しているため同様にこのDVDには含まれていません。 これらのパッケージは自分でインストールする必要があります。
Synapticからインストール
Synapticを起動して「設定」→「リポジトリ」を開いて以下の個所にチェックを入れます。
- 非フリーな依存関係のあるDFSG適合ソフトウェア(contrib)
- DFSGに適合しないソフトウェア(non-free)
「再読込」ボタンを押して、poppler-data, gs-cjk-resource,xpdf-japaneseパッケージをインストールします。
ターミナルからインストール
Root Terminalから
# sed -i 's#ftp.jp.debian.org/debian/ lenny main$#& contrib non-free#g' /etc/apt/sources.list # aptitude update # aptitude install poppler-data gs-cjk-resource xpdf-japanese
資料リポジトリの複製とコンパイルの確認
ホームディレクトリで以下のコマンドを実行します。 (東京エリアDebian勉強会2008年11月資料より抜粋)
$ git clone git://git.debian.org/git/tokyodebian/monthly-report.git $ cd monthly-report $ cp -p git-pre-commit.sh .git/hooks/pre-commit $ make -j4 $ ls *.pdf # 110くらいのPDFファイルが生成されていることを確認
コンパイル作業はマシンにもよりますが、非力なマシンではかなり時間がかかります。
その他の設定
LiveCDに入れ忘れた細かなTeX周りの設定です。
evinceの設定
evinceでプレビューするとゴシックも明朝もすべてVLゴシックで表示されてしまうので、さざなみゴシックとさざなみ明朝に割り当てます。
割り当て方法は、~/.fonts.confに以下の内容で設定します。
<?xml version="1.0"?> <!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd"> <fontconfig> <match target="pattern"> <test qual="any" name="family"> <string>Ryumin</string> </test> <edit name="family" mode="prepend" binding="strong"> <string>Sazanami Mincho</string> </edit> </match> <match target="pattern"> <test qual="any" name="family"> <string>Gothic-BBB</string> </test> <edit name="family" mode="prepend" binding="strong"> <string>Sazanami Gothic</string> </edit> </match> </fontconfig>
* 参考: lenny で TeX 環境.
whizzytexの設定
whizzytexはemacs上で編集しているTeX文書をリアルタイムでプレビューすることができます。
ホームディレクトリに~/.whizzy/whizzy.shという名前で以下の内容のファイルを作ります。
INITEX="platex -ini" FORMAT=platex LATEX=platex BIBTEX=jbibtex FMT=fmt
使い方はemacs上で M-x whizzytex-mode とします。
参考: whizzytexの利用方法
以上で資料作成ハンズオンのための環境が整いました。
Debian Liveのよくある質問
- Debian Liveをシャットダウンすると途中で止まります
- シャットダウン中にスプラッシュ画面のプログレスバーが止まりますが、正常にシャットダウン作業がおこなわれています。DVDが排出されたらエンターキーを2回押してください。(1回目でコンソール画面になり、2回目でシャットダウンされます。)
- Debian Live上で作業したデータを保存することはできますか?
- できます。資料作成ハンズオン準備を参照してください。
- Debian Live上からDebian Installerを起動してHDDにインストールすることはできますか?
残念ながらできません。(debootstrap を使ってすべて手作業で頑張るという手段はあります
)
- ネットワークがつながりません
dhcp環境下では自動的にIPを取得しますが、まれに取得に失敗することがあります。その時は右上のNetworkManagerアイコンをクリックして 有線ネットワーク を選ぶと取得できます。固定IP環境下の場合はツールバーのメニューから、 システム → システム管理 → ネットワーク から手動で設定してください。無線LANについてはドライバが対応していれば NetworkManager から接続できます。
- VirtualPCで起動しません
既知のバグです。(bug#463606) VirtualPC以外 (VirtualBoxやQEMUなど)の仮想化ソフトをご利用ください。
Debian Liveのダウンロード
以下のサイトにて配布DVDイメージファイルを配布しています。
Debian Liveのカスタマイズ
live-helperの設定ファイルはgithubを利用して管理しています。
資料作成ハンズオン準備の「USBメモリにDVDの差分を保存する。」を参考にUSB HDD上に差分保存パーティションを用意することにより、LiveDVD上でカスタマイズすることができます。 カスタマイズには10GBほど容量が必要になります
同じものをビルドするには、以下のコマンドでビルドすることができます。
$ git clone git://github.com/nogajun/debian-study-live-cd.git $ cd debian-study-live-cd $ make
live-helperの設定を変更する事により、さまざまなカスタマイズすることが可能ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
カスタマイズの方法については、このWikiの DebianLive のページを参照するか、lh_config コマンドのヘルプを参考してください。
- DebianLive - Debian Wiki
- Debian Live Manual
- nogajun's debian-study-live-cd at master ― GitHub